幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「はい」

『ああ、ごめん。電話のほうが早いと思って』

 清登の声が流れ込んでくる。

 電話という機械を通してだって、優しい声だ。

「そうだよね。ありがとう」

 言われてみれば、その通りだと思った。

 清登はきっと、沙也が返信したタイミングでかけてくれるつもりだったのだろう。

 話はすぐ本題に入った。

『日曜日、洋斗も来られるかな?』

 まず、洋斗のことを言われた。

 この先のことを考えるなら、洋斗の存在は欠かせない。

 清登なら、どんな形であっても、洋斗を大切に扱ってくれるとわかっている。

「うん。連れていけるよ」

 だから沙也はさらりと返事をした。

 清登の声は、安堵のものになる。

『良かった。できれば午前中から、夕方くらいまではかかるかもしれないけど……大変だよな。大丈夫かな』