幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 それなら、返事をする。

 最初から、清登の返事がなんであっても頷くつもりだった。

 今でもその気持ちは変わらないし、実際、そう行動するつもりでいる。

 でもあの真悠の来訪のときに自分が話したことによって、少しだけ変わった気がする。

 自分の信条ともいえるだろうか。

 はっきり思い知って、認識できたと思う。

 このあと、どういう生き方をする……というと大げさだが、きっと少し固まったのだろう。

 それなら真悠が教えてくれた結果になったのだから、やはり沙也は、彼女には感謝しないといけないことになる、と改めて思った。

 それはともかく、清登から連絡。

 沙也はすぐに返事をした。

『大丈夫だよ』

 そこまではメッセージだったが、メッセージを送った数秒後には、電話が鳴っていた。

 着信はもちろん、清登から。

 流石にどきっと心臓が跳ねてしまったけれど、沙也は迷わず応答ボタンを押した。