幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 もう少し続けたほうがいいかと思ったが、これ以上説明できることはない。

 では真悠の返事を待つべきだろうか。

 考えて、多分待つべきだろうなと思った。

 急に、まったく知らない相手の思考など聞かされて、すぐに理解できないことだってあるだろうから。

 真悠の表情から、勢いが抜けた。

 代わりに眉が寄り、不快そうな表情が戻ってくる。

 嫌悪よりも、受け入れがたい、とその表情は言っていた。

「……甘すぎるわよ」

 数秒後に真悠が吐き捨てるように言ったことは、その表情通りの気持ちだっただろう。

「そうかもしれません」

 沙也は返事があったことに、ほっとした。

 返事は曖昧な肯定になった。

 実際、甘いことだと自覚している。

「奪うならそのくらいの行動、してほしかったのに。呆れるわ」

 真悠はもう、怒りよりも、言った通りの呆れという感情の表情になる。

 腕を持ち上げ、胸の前で組んだ。

 それも、考える様子ではなく、やれやれという様子であった。