「私が許せないのは……、清登がいたずらに私をキープしてたこと」
据わった声になっていた。
その声で静かに言われたそれは、きっと真悠の不快の根幹。
そして今日、押しかけてきて、沙也に伝えたかった理由のはじまりだった。
「そりゃあ、御曹司ですもの。私のパパは政界と繋がりがあるから、二夕川家との結婚は釣り合いが取れたものでしょうよ。それに清登の一存で決めることができなかったのもわかってる。……あのときみたいに」
真悠は淡々と話していく。
沙也は詳しく知らなかったものの、真悠の家はそれなりのお金持ち、もしくは権威ある家だろうと思っていたが、その通りだったようだ。
そのあとの『あのとき』というのはわからなかったが、口を挟める雰囲気ではない。
事実、真悠の様子はだんだん鬼気迫ってきた。
「でもね、心から閉め出せないほど好きな相手がいるっていうのに、それを見ないふりして大人しく婚約を受け入れてたのよ! 酷くない!?」
ぎりっと奥歯を噛み締めるのが見え、それでもそのあとしばらくは淡々としていたけれど、最後は跳ねた。
苦しげで、絞り出すような、吐き捨てるにも近いような語調になる。
据わった声になっていた。
その声で静かに言われたそれは、きっと真悠の不快の根幹。
そして今日、押しかけてきて、沙也に伝えたかった理由のはじまりだった。
「そりゃあ、御曹司ですもの。私のパパは政界と繋がりがあるから、二夕川家との結婚は釣り合いが取れたものでしょうよ。それに清登の一存で決めることができなかったのもわかってる。……あのときみたいに」
真悠は淡々と話していく。
沙也は詳しく知らなかったものの、真悠の家はそれなりのお金持ち、もしくは権威ある家だろうと思っていたが、その通りだったようだ。
そのあとの『あのとき』というのはわからなかったが、口を挟める雰囲気ではない。
事実、真悠の様子はだんだん鬼気迫ってきた。
「でもね、心から閉め出せないほど好きな相手がいるっていうのに、それを見ないふりして大人しく婚約を受け入れてたのよ! 酷くない!?」
ぎりっと奥歯を噛み締めるのが見え、それでもそのあとしばらくは淡々としていたけれど、最後は跳ねた。
苦しげで、絞り出すような、吐き捨てるにも近いような語調になる。



