幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「それはわかっています。本当にすみません」

 だから沙也は肯定した。

 そして心から謝る。

 真悠がまさに、沙也が傷つけてしまう対象の筆頭だから。

「ただ……、隠すのには限界があります。先延ばしにすればするほど、悪いことになる可能性は高まると知りました。それなら、手の打ち方が選べるうちにと思ったんです」

 すべて話すつもりだった。

 ここまできて隠せるわけも、隠していいわけもない。

 ただ、その話は真悠に歪んだ笑みを浮かべさせた。

「なるほど。私があなたを刺しに来る可能性のことね」

 つまりはそういうことになるのだったが、まさか、そうですなんて言えるはずがない。

「そんな、……」

 沙也の口からは、ぼんやりした言葉しか出てこなかった。

「そんなことするもんですか。あなたなんかのために、犯罪者になるなんて御免よ」

 しかし、真悠から返ってきたのはそんな言葉で、沙也は思わず顔を上げてしまった。

 そのことで、俯き加減になっていたことをやっと自覚する。

 恐れていたのだとも自覚した。

 それに、驚いたのは言葉の内容だけではない。

 真悠の口調はなにも変わっていなかったし、歪んでいたけれど、その言葉が意味するところは、沙也に危害を加える気は本当にないという気持ちだったのだから。