幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「……清登くんに、本当のことを知ってほしかっただけです」

 とりあえず、言うつもりだった事実を口に出した。

 どう知ったのか、聞きたい気持ちもあったけれど、聞かなくていい気もした。

 経路の問題ではないのだから。

 沙也の言ったことに、真悠は黙った。

 無表情で、なんの感情もそこには乗っていない。

「……ふぅん。知るだけでいいなんてずいぶん謙虚じゃない? でも知ったからにはこのままでなんていられるわけないよね。清登だって、婚約だって」

 数秒、そのままの表情でいた真悠は、口を開いた。

 少し嫌味っぽい口調と声だったが、言ったことは正論だった。

 沙也の胸には痛いことだ。

 自分が『選択肢の多いうちに』と思ったのは間違っていないと思う。

 だが、ほかのひとに迷惑を掛けたり、傷つけたりすることに変わりはないことだったから。