今から向かうどころか、部屋の中にへたり込みたいくらいだったけれど、沙也はまず、鼻から大きく息を吸った。
数秒、止めて、大きく吐き出す。
お腹に手を当てて、なんとか繰り返した。
これはヨガの呼吸法だとかで、心を落ち着ける効果があると教えてもらったものだ。
その通り、五回ほど繰り返したときには、ほんの少しだけ、数ミリほどではあったものの、気持ちは通常に近付いてくれたように感じられた。
「まーまぁ?」
不穏な空気はもちろん感じ取っていたらしい洋斗が、足にくっついてきた。
向こうも心配そうに、見上げてくる。
沙也は息をすべて吐いてから、しゃがみこんだ。
洋斗に腕を伸ばす。
「大丈夫だよ。すぐに戻ってくるからね」
やわらかく抱きしめて、背中を撫でる。
「ん! ぜった!」
洋斗は安心したように言い、声を上げた。
これも『大丈夫』と同じ。
『絶対』。
やはり沙也がよく言うから覚えてしまった言葉だ。
数秒、止めて、大きく吐き出す。
お腹に手を当てて、なんとか繰り返した。
これはヨガの呼吸法だとかで、心を落ち着ける効果があると教えてもらったものだ。
その通り、五回ほど繰り返したときには、ほんの少しだけ、数ミリほどではあったものの、気持ちは通常に近付いてくれたように感じられた。
「まーまぁ?」
不穏な空気はもちろん感じ取っていたらしい洋斗が、足にくっついてきた。
向こうも心配そうに、見上げてくる。
沙也は息をすべて吐いてから、しゃがみこんだ。
洋斗に腕を伸ばす。
「大丈夫だよ。すぐに戻ってくるからね」
やわらかく抱きしめて、背中を撫でる。
「ん! ぜった!」
洋斗は安心したように言い、声を上げた。
これも『大丈夫』と同じ。
『絶対』。
やはり沙也がよく言うから覚えてしまった言葉だ。



