「……私から、行きます」
たっぷり一分以上は考えてしまっただろう。
沙也はお腹の底から絞り出すような声で、言った。
これが沙也にできる、精一杯の譲歩だった。
マンション内にはともかく、室内になんて入れるわけにはいかない。
だって洋斗がいる。
洋斗になんらかの危険が迫らないと、どうしていえよう。
真悠は『危害を加える気はない』と言ってはきたけれど、鵜呑みにしてはいけないと思う。
それに、真悠の立場からしたら、沙也が憎いのは当然だろうが、洋斗はもっと憎い存在になるかもしれないのだ。
それなら、危険が及ぶことなんて、できるわけがない。
「……仕方ないわね。わかったわよ」
向こうからも数秒、沈黙があった。
それでも受け入れる返事が返ってくる。
「す、少し……待っていてください」
沙也は震える声を押し殺し、そう言った。
「早くしてちょうだいよ」
真悠からの返答はそれだけで。
ぷつんとインターホンを切る。
たっぷり一分以上は考えてしまっただろう。
沙也はお腹の底から絞り出すような声で、言った。
これが沙也にできる、精一杯の譲歩だった。
マンション内にはともかく、室内になんて入れるわけにはいかない。
だって洋斗がいる。
洋斗になんらかの危険が迫らないと、どうしていえよう。
真悠は『危害を加える気はない』と言ってはきたけれど、鵜呑みにしてはいけないと思う。
それに、真悠の立場からしたら、沙也が憎いのは当然だろうが、洋斗はもっと憎い存在になるかもしれないのだ。
それなら、危険が及ぶことなんて、できるわけがない。
「……仕方ないわね。わかったわよ」
向こうからも数秒、沈黙があった。
それでも受け入れる返事が返ってくる。
「す、少し……待っていてください」
沙也は震える声を押し殺し、そう言った。
「早くしてちょうだいよ」
真悠からの返答はそれだけで。
ぷつんとインターホンを切る。



