「沙也さん、聞いているのよね?」
沙也が答えずにいて、きっとそれが『肯定』の意味に伝わってしまったのだろう。
真悠の声音は少し変わった。
応答しているのは沙也だと確信し、あのときと同じ口調になって、押すように言ってくる。
「……帰って、ください」
沙也が言えたのはそれだけだった。
震えるのをなんとか堪えながら、インターホンに向かってしゃべる。
このまま切ってしまいたかったけれど、それではもう一度、押されるだけだ。
気持ちを押し殺しながら、耐える。
「嫌よ。なんのために来たと思ってるの。開けてちょうだい」
真悠はカメラをぎろっと睨むように見てきた。
向こうから沙也は映らないが、沙也を睨みつけたいと言っている表情だ。
「困ります! め、……迷惑です!」
ここまで押しかけられておいて、大人しく帰られるとは思っていなかったが、沙也としては、喜んで招き入れられる人物であるわけがない。
絞り出すようにした勇気で、発言する。
「迷惑なんて承知よ。開けないなら、ずっとここで待っててあげるから」
なのに真悠は、しれっと答えた。
沙也が答えずにいて、きっとそれが『肯定』の意味に伝わってしまったのだろう。
真悠の声音は少し変わった。
応答しているのは沙也だと確信し、あのときと同じ口調になって、押すように言ってくる。
「……帰って、ください」
沙也が言えたのはそれだけだった。
震えるのをなんとか堪えながら、インターホンに向かってしゃべる。
このまま切ってしまいたかったけれど、それではもう一度、押されるだけだ。
気持ちを押し殺しながら、耐える。
「嫌よ。なんのために来たと思ってるの。開けてちょうだい」
真悠はカメラをぎろっと睨むように見てきた。
向こうから沙也は映らないが、沙也を睨みつけたいと言っている表情だ。
「困ります! め、……迷惑です!」
ここまで押しかけられておいて、大人しく帰られるとは思っていなかったが、沙也としては、喜んで招き入れられる人物であるわけがない。
絞り出すようにした勇気で、発言する。
「迷惑なんて承知よ。開けないなら、ずっとここで待っててあげるから」
なのに真悠は、しれっと答えた。



