幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「そうそう。あめ」

 沙也は穏やかに笑って、洋斗の髪に触れる。軽く撫でた。

 撫でられたのが嬉しかったようで、洋斗はぱたぱたと手を振った。

「あめ! あめ! ざーざー!」

 おしゃべりはもう少し上手に、たくさんになった。

「ざぁざぁ、ちゃぷちゃぷだねぇ」

 洋斗の言葉を広げるように、沙也はもうひとつ口に出す。

 洋斗は楽しそうに、すぐ繰り返した。

「ちゃっぷぅ」

 外は大雨。

 でもここはとても平和で穏やか。

 沙也は洋斗とおしゃべりをしながら、先日のことを思い出していた。

 清登と会ってきた日のことだ。

 もう半月近く前になる。

 あれ以来、清登から連絡はなかった。

 今度は清登のほうがゆっくり考えたいだろうから、それできっと自然なのだ、と沙也は思っていた。

 だからこちらから急かすこともなかった。

 今度は待つ番。

 心得ている。