幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 沙也の胸はもう、鼓動が速くなり切って、止まってしまうのではないかと思うほどだった。

 でもその高鳴りは、とても心地良く、幸せで……たとえ、その中に痛みが混ざっていたとしても、はるかに上回る幸福感を連れてきてくれた。

「沙也。待っていてくれ。ちゃんと決めてくる」

 清登は沙也を抱きしめただけだった。

 特別なことはなにも言わなかった。

 愛とか、この先のこととか、なにも。

 清登なりの誠意であるくらい、沙也はちゃんと理解できる。

「うん、大丈夫。清登くんなら間違えないって、わかってる」

 だから沙也の返事も受け止めだけであった。

 代わりにそっと手を持ち上げ、清登の背中に回した。

 一体いつぶりだろう、と頭によぎる。

 もちろん、十日間のときぶりである。

 でももう二年以上が経っているのだ。

 清登の体は、あの頃より少し逞しくなったように感じられた。

 錯覚かもしれないけれど、沙也はそう感じた。

 なんにせよ、清登が清登であることは、抱いてくれた腕からしっかり知ることができた。

 それに体格が変わろうとも、さらに大人になろうとも。

 彼の本質はなにも変わらないこと。

 沙也は実感として、はっきり理解した。