幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「そうだよな。悪い、甘ったれた思考だった」

 沙也の答えに、清登は苦いものを噛んだような顔になった。

 自分を責めるように言ってしまう。

「そんなことはないけど」

 それには首を振って答えた沙也だった。

「色々選択肢はあるよね。でも、私が今日、会いたいって言ったのと同じで……」

 沙也の視線は少しだけテーブルに落ちた。

 まったく飲んでいないお茶が目に映る。

 水面は静かだった。

 それを数秒見つめ、そっと顔を上げる。

「清登くんが、選んで後悔しない道にしてほしいの。そうしたら、きっと私にとっても一番いい選択だと思うから」

 清登を見つめ、はっきり口に出した。

 後悔しないこと。

 とても大切で、行動の指針にすべきことだ。

 ひょっとすると、正しいかどうかより、大切なことかもしれない。

 今の沙也はそんなふうに思う。