幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 今まで言えなかった、本当のことと、本当の気持ち。

 言葉にしたいと思った。

 伝えたいと思った。

 本当に明依が言ってくれた通りだった、と思う。


『清登さんはとても優しいひとだから、大好きな沙也が重いものを背負っていたって、あとから知ったら後悔するんじゃないかなって思うんだ』


 あの言葉の通りだったのだ。

 自分のことと、それから洋斗を守りたいと思うばかりで、清登のことをないがしろにしたも同然だと思う。

「それは……、沙也の優しさだったんだから」

 なのに清登はそう返してきた。

 そう言う清登こそ、とても優しく、沙也を大切にしてくれるひとだ。

 沙也の心を強く打った。

「なぁ、沙也」

 ふと、清登が顔を上げた。

 酷い顔になっていた。

 さっき流した涙の痕がわずかに残っているし、格好いい顔立ちが台無しだった。

 でも、沙也にとっては、まったく格好悪いことではない。

 むしろこれまでのことと自分を見つめ、真剣に向き合ってくれた結果のこの様子なのだ。

 胸が熱くなり、また締め付けられるように感じられた。