幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「そんなこと……」

 否定しようとした沙也。

 だが清登はそれを遮ってしまう。

 しかもやや強い口調だった。

「今まで放置していたくせに……! 会うなり『離せない』なんて言う資格はないのに。それでももう、離せるとは思えないんだ」

 自分を叱るような口調だった。

 沙也が息を呑んでしまうほどの言い方だ。

 数秒、沈黙になったくらいだ。

「……清登くん。酷いのは私だって同じだよ」

 やがて、沙也は切り出した。

 お腹の下に力を込め、言葉にする。

「清登くんに迷惑だとか、連絡をしないことにするとか、勝手に決めつけて……。これほど清登くんを悔やませて、苦しめちゃうなら、ちゃんと言っておくべきだったんだと思う」