「……やわらかい。あったかい……」
清登の大きな手は、やがて恐る恐る、という様子であったが、洋斗の小さな、小さな手を包み込んだ。
感じ入った声で、そう呟く。
「そうでしょう?」
沙也も噛み締めるように言っていた。
二人の手が触れ合ったこと。
小さすぎる一歩だったかもしれない。
でもこれまでの時間と経緯を考えると、月へ飛び立つような大きな一歩だった。
「沙也」
やがて清登は顔を上げた。
視線を沙也に向ける。
まだ涙の痕が残った目で見つめられて、沙也がどきん、としたときだった。
「沙也……!」
縋るような声と共に、洋斗の手を包んでいるのと逆の手が伸ばされた。
沙也の肩に触れ、一歩踏み出す。
洋斗を驚かせないようにだろう、洋斗が抱かれているのとは逆側の肩に、清登は身を寄せてきた。
抱きしめるという表現には遠かった。
ただ身を寄せ、肩と腕がわずかに触れ合っただけだ。
だけど沙也はしっかり理解した。
強く、強く清登の腕に抱かれたことを。
「清登……くん」
優しく、強い腕に抱かれて、沙也は小さく呟いていた。
清登の名前を呼ぶ。
沙也と洋斗を、心の腕で、ぎゅっと強く抱きしめ、包み込みながら清登は言った。
絞り出すように、噛み締めるように……自分に思い知らせるように。
「駄目だ、もう離せない。沙也も……洋斗も」
清登の大きな手は、やがて恐る恐る、という様子であったが、洋斗の小さな、小さな手を包み込んだ。
感じ入った声で、そう呟く。
「そうでしょう?」
沙也も噛み締めるように言っていた。
二人の手が触れ合ったこと。
小さすぎる一歩だったかもしれない。
でもこれまでの時間と経緯を考えると、月へ飛び立つような大きな一歩だった。
「沙也」
やがて清登は顔を上げた。
視線を沙也に向ける。
まだ涙の痕が残った目で見つめられて、沙也がどきん、としたときだった。
「沙也……!」
縋るような声と共に、洋斗の手を包んでいるのと逆の手が伸ばされた。
沙也の肩に触れ、一歩踏み出す。
洋斗を驚かせないようにだろう、洋斗が抱かれているのとは逆側の肩に、清登は身を寄せてきた。
抱きしめるという表現には遠かった。
ただ身を寄せ、肩と腕がわずかに触れ合っただけだ。
だけど沙也はしっかり理解した。
強く、強く清登の腕に抱かれたことを。
「清登……くん」
優しく、強い腕に抱かれて、沙也は小さく呟いていた。
清登の名前を呼ぶ。
沙也と洋斗を、心の腕で、ぎゅっと強く抱きしめ、包み込みながら清登は言った。
絞り出すように、噛み締めるように……自分に思い知らせるように。
「駄目だ、もう離せない。沙也も……洋斗も」



