幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「……触れても、いいか?」

 清登が静かに言った。

 ためらいと、希望が両方混ざっている言葉だ。

「うん。洋斗」

 その申し出が嬉しくて、沙也は片手を出して、洋斗の小さな手首を優しく持った。

 そっと持ち上げる。

 ほんの少しだけ近付いた、清登と洋斗の距離。

 清登も手を持ち上げた。

 洋斗の手、まだ幼いのできゅっと握られている。

 そこへそっと触れた。

 大切なものに触れる手つきだ、と沙也にはわかる。

 洋斗は手に触れられて、驚きと戸惑いをまた感じたらしい。

「うー……?」

 それでもまだ人見知りには少し早い年頃であることも手伝って、またわんわん泣くことはなかった。

 顔は軽くしかめたものの、不思議そうな声だけに留まった。