幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「清登くん。そう……言っちゃ駄目だよ」

 なんとか言った。

 本当に、そんなふうに言ってほしくない。

 この場の空気が、日常とまるで違うものだと洋斗は感じ取ったのだろう。

 もちろん、不安になったようだ。

「ふぇ……っ」

 泣き出しそうな声が洩れた。

 まずい、と沙也が思ったときには、洋斗まで泣きだしていた。

「ふぇぇ……! うぁ……!」

 小さな声だったが、泣き声が零れる。

 焦ったのは清登だ。

 自分のせいだと思ったのだろう、おろおろした。

「あ、あ……! わ、悪い。泣かせちゃった……」

 しかし、その反応と言い方は、沙也に微笑を浮かべさせたのだ。

 こんな優しいことを言ってくれる。

 対応なんてわからないという様子で、なのに困ってくれる。

 それは洋斗を気遣ってくれてのことだから。