幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「洋斗。パパだよ」

 どくどくと心臓の鼓動は速かった。

 帰ってくるときからすでにそうだった。

 悪いようにはならないという予感はあったものの、緊張なんてなくならない。

 清登と洋斗、二人の反応はわからないのだから、仕方がないことだ。

「んー……?」

 清登を見て、洋斗は眉を寄せた。

 濁った声を出す。

 知らないひとに会ったときは大抵こうだ。

 例えば親戚に初めて会ったときなど、こういう反応だった。


 このひとはだぁれ。

 しらないひとだ。


 そう思っているのが表情と声に出ていた。