幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 真っ直ぐに言われたこと。

 沙也は、一瞬、無になった。

 まさかこんなふうに言われるとは思わなかった。

 自分がすべてを告白し、清登は驚くか、それとも別の反応を見せるかして……と思っていたのだ。

 それが、この言い方と様子だ。

 清登はすでに決めてきたのだ。

 沙也の話を聞く覚悟を決めてきたのだ。

「なんであっても俺はそれを受け止める。答えはわからない。でも聞きたいんだ」

 清登がさらに後押しするように言ったこと。

 沙也は一瞬、意識がくらっとするのを感じた。


『上手くいくかはわからない。でも……きっと後悔はないよ』


 明依が言ってくれた言葉だ。

 その通りのことを清登は今、目の前で言った。

 沙也の心は、このふたつの言葉で決まる。

 話そう。

 すべて、打ち明けよう。

 きっと、自分も清登も後悔したりしない。

「……わかった。ありがとう」

 沙也は数秒、胸の中で息を吐き、心を落ち着けた。

 そうしてから、すぅ、と息を吸う。

 今度は自分から真っ直ぐに清登を見つめて、切り出した。

 一時期は、絶対に言うことがないと思っていた言葉を。

「私、息子がいるの。清登くんの……子ども」