幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「そう? でも……なんだろうな。沙也とは高校時代に行った店みたいなところのほうが落ち着くと思ってしまうんだ」

 沙也の返事に、清登はちょっと困り笑いのような表情になった。

 続けて言われたことは、沙也の胸を、ぽわっとまたあたたかくする。

 二人で過ごした時間。

 今、これほど道や世界が違っていても、確かになくなりやしないものだ。

「……ありがとう。そう言ってもらえるの、嬉しい」

 小さくうつむきつつも、沙也はお礼を言った。

 心から思って言ったことだとは、きっと伝わっただろう。

「……それで、話なんだけど」

 その状態で、ごく、と喉を鳴らしてから、沙也は切り出そうとした。

 数日前、『ちょっと話をしたいんだけど……』とスマホから送ったメッセージ。

 清登が『わかった』と答えてくれたから、今、ここにいる。

 でもそんなに時間があるわけでもないのだ。

 だからすぐ本題に入ろうとしたのに、意外なことに、清登がそこで沙也の言葉を遮った。

「ごめん、ちょっと先にいいかな」