幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「とにかく乗って。話は走ってからしよう」

 清登はその優しい表情のまま、沙也は促した。

 確かに乗降場でずっと立ち話をしていたら迷惑だ。

 沙也は頷き、回り込んで、助手席ドアに手を伸ばした。

「うん。……あっ」

 だが、沙也が開けるまでもなかった。

 すっと音もたてずドアが動き、開けられる。

 自動ドアだ。

 そうだ、前もそうだったではないか。

 つい普通の車と同じように乗ろうとしてしまったくらいには、忘れていた部分もあるのだと、ちくっと胸が痛む。

「えっと、お邪魔します」

 痛みを覚えつつも、沙也は開けてもらったドアから、気を付けて乗り込んだ。

 座席に座り、シートベルトをかける。

「いい? 行くよ」

「大丈夫」

 清登が沙也を見て確認してくれて、沙也は、ぱちんとシートベルトを固定してから頷いた。

 それで車はすぐ発進した。