幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 話は一段落した。

 そしてまるでそれを悟ったように、洋斗が声を出した。

「まーま!」

 顔を上げて、沙也を見上げてくる。

 なにか言いたいことがあるような言い方と表情に、沙也は「ん?」と聞き返したのだが、洋斗が次に言ったことに、目を丸くしてしまった。

「だーじょーうぅ」

 大丈夫。

 拙い言い方だが、沙也がよく言うので覚えてしまったその言葉を口に出す。

 沙也は目を丸くしたし、向かいで明依も同じように目を見張っていた。

「だーじょ! だーじょ、う!」

 洋斗はもっと明るく、ぱたぱたと手を振ってまで言う。

 そのかわいらしい様子は、まるで励まし。

 いや、きっと偶然ではなく、本当に励ましだろう。

 会話の内容はわかるはずがない。

 でも沙也がなにかに悩んでいて、不安になっていること。

 そしてそれを明依に話していること。

 それは悟ったのだろう。