幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「……うん」

 また相づち、というか、受け止めだけになってしまったのに、明依は数ミリだけ身を乗り出して、テーブルの向かいにいた沙也に向かって笑みを浮かべた。

 勇気づけるような、優しい笑みだ。

「大丈夫。上手くいくかはわからない。でも……きっと後悔はないよ」

 沙也はいつの間にか、少し落としてしまっていた視線を上げた。

 明依の笑顔が目に映る。

 さっきよりずっと、素に近い笑顔に見えた。

 沙也の胸が、とくとくとあたたかな血を流す。

 単に背中を押してもらう形になっただけだったのかもしれない。

 でもそんなふうにはまったく思わなかった。

 明依は自分のことのように真剣に考えたうえで、こう言ってくれたのだ。

 だったらそれは、単なる沙也に対する後押しだけではないだろう。