幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 明依は手を伸ばして、アイスティーのグラスを包んだ。

 まるでその手の中に、大切なものがあるというように。

「清登さんはとても優しいひとだから、大好きな沙也が重いものを背負っていたって、あとから知ったら後悔するんじゃないかなって思うんだ」

 出てきた言葉はとても優しかった。

 明依だってとても優しいひとなのに。

 沙也のことをこんなに考えて、真剣に考えて言ってくれるような、優しいひと。

「……うん」

 沙也は相づちしか打てなかった。

 まだ途中だろうな、と思ったので相づちだけになったのだが、その通り、もうひとつそのあとに続く。

「それで……やっぱりタイミングはあるよね。清登さんの立場を考えても、なにかしら動ける選択肢が多いうちがいいかな、って思った」

 これで明依からの意見や見解はおしまいだった。

 最後に言われたのは、目暮と同じこと。

 タイミングや選択肢。

 先延ばしにすればするほど、減っていってしまうものだ。