幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 たったそれだけのことなのに、父が今となっては洋斗をすっかり受け入れ、孫としてとてもかわいがってくれていることを、沙也は改めて噛みしめてしまう。

 父の車はそれで去っていった。

 すっかり夕暮れになっている中を走り去る車を、沙也は見えなくなるまで見送る。

 そうしてからマンションへ入った。

 自分の部屋へ向かう。

「んーぅ……んんー……」

 静かに歩いたが、振動のためか、部屋に着く頃、洋斗は目を覚ましてしまった。

 まだ眠り足りないだろう。

 ぐずぐず声を洩らしはじめた。

「ごめんね、起こしちゃって。おうちでねんねしようね」

 泣き出す前に着いて良かった。

 そう思いながら沙也は素早く中に入り、居室へ向かった。

 居室のベビーベッドに洋斗を連れていく。

 寝かしつける前に、荷物からペットボトルを取り出し、海でしたように水を少し飲ませた。

 車に乗っている間、水分補給をしていなかったからだ。