「ううん。ありがとう」
軽くお礼を言っただけで、車はそのまま発進し、道へ戻る。
あとは一時間弱、走ったら沙也の住んでいるマンションだ。
車中は普通の会話だった。
父は訪ねていった親戚のことを話したし、沙也は知っている相手だったので、それなりに楽しく聞いた。
でも自分のことに関しては、曖昧にしてしまった。
「海、とっても綺麗だったよ。洋斗はすごくはしゃいじゃってね。それで今、くたびれちゃったみたい」
話したのはそのくらいだった。
その洋斗は後部座席に取り付けてあるチャイルドシートに乗り、再び落ち着けたので、また静かに眠っている。
泣いては可哀想なので、そうならなくて安堵した沙也だった。
そのまま車は順調に高速道路を走り、予定通りの時間で家に辿り着いた。
「お父さん、今日は本当にありがとう」
起こさないよう、気をつけながら洋斗を抱いて車から降り、沙也は運転席の父に改めてお礼を言った。
父は微笑で首を振る。
「いいや。沙也とひろくんが楽しめたなら良かったさ」
いつも読んでいる呼び方で洋斗の名前を口に出した。
軽くお礼を言っただけで、車はそのまま発進し、道へ戻る。
あとは一時間弱、走ったら沙也の住んでいるマンションだ。
車中は普通の会話だった。
父は訪ねていった親戚のことを話したし、沙也は知っている相手だったので、それなりに楽しく聞いた。
でも自分のことに関しては、曖昧にしてしまった。
「海、とっても綺麗だったよ。洋斗はすごくはしゃいじゃってね。それで今、くたびれちゃったみたい」
話したのはそのくらいだった。
その洋斗は後部座席に取り付けてあるチャイルドシートに乗り、再び落ち着けたので、また静かに眠っている。
泣いては可哀想なので、そうならなくて安堵した沙也だった。
そのまま車は順調に高速道路を走り、予定通りの時間で家に辿り着いた。
「お父さん、今日は本当にありがとう」
起こさないよう、気をつけながら洋斗を抱いて車から降り、沙也は運転席の父に改めてお礼を言った。
父は微笑で首を振る。
「いいや。沙也とひろくんが楽しめたなら良かったさ」
いつも読んでいる呼び方で洋斗の名前を口に出した。



