幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「……はい。ありがとうございます」

 だから沙也の返事はそれだけになった。

 今は、これ以上のことは言えない。

 でも目暮に対して感謝しなければいけないのはわかる。

 耳に痛いことで、自分の甘さも思い知らされることだったけれど、彼のこの忠告がなければ、彼が味わったような事態が起こる可能性なんて、高確率であるのだろうから。

「色々と脅かしてしまったようで申し訳ございません」

 沙也の心情はすべてわかっている、という表情と声で、目暮は深々と頭を下げた。

 沙也は慌てて、それを制する。

「いえ、とんでもないです。……ありがとうございます」

 自分も頭を下げた。

 深々と、になった。

 本当に、彼には感謝しかない。

「少しでもご参考になれば……。わたくしも祈っております。洋斗くんが健やかに育てることを」