幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 沙也の胸が、ひゅっと冷える。

 目暮の身に起こったこと。

 それからどうして目暮が今日、ここへやってきたのか。

 一瞬ですべて理解した。

「大変な騒動になりました。殺してやる、なんて物騒な言葉もかけられました。それからのことは……、まぁ、私的なお話なので置いておきまして。ただ、相当ごたついたとだけ言っておきます」

 沙也の返事を待つことなく、目暮は淡々と続けていく。

 さらりと言ったけれど、その内容なんて想像に難くない。

 そして、どれほど壮絶だったのかというのは。

 それについては想像すらできないと思う。

 ごくっと唾を飲んでいた。

 思わずかたわらで寝息を立てていた洋斗に視線を向ける。

 穏やかに眠っている洋斗。

 この子が、まさか、そんなことになったなら……。

 心臓は再び、気持ち悪く冷えていった。