「でも沙也が参列できないのは残念ね。まだ結納なら、お身内だけなんでしょうけど」
しかし次に母が言ったことに、沙也は、ごくっと喉を鳴らしていた。
参列なんて、できるわけがない。
沙也の立場からしても、彼との関係としても。
……沙也の気持ちとしても。
「それで普通じゃない?」
やはり、なんとか言った。
だけど今度、声は震えた。
幸い、母はアルバムに見入っていて、気付かなかったようだ。
いいおうちだからきっと格式あるホテルで行うんだろうとか、まだ若いのにとか、なんでもないことを話している。
沙也は、そっと後ずさった。
半歩ほどであったが、逃げるような心持ちになる。
「そうよね。沙也も一緒に見ない? 洗濯が終わったら、お茶を淹れようと思って……」
なのに母ときたら。
なにも知らないがゆえに残酷なことを口に出す。
「い、いい! 私、このあと見たいチャンネルがあるから!」
沙也はもう、取り繕えずに声を上げていた。
内容だけは無難なものになって、自分に安堵した。
しかし次に母が言ったことに、沙也は、ごくっと喉を鳴らしていた。
参列なんて、できるわけがない。
沙也の立場からしても、彼との関係としても。
……沙也の気持ちとしても。
「それで普通じゃない?」
やはり、なんとか言った。
だけど今度、声は震えた。
幸い、母はアルバムに見入っていて、気付かなかったようだ。
いいおうちだからきっと格式あるホテルで行うんだろうとか、まだ若いのにとか、なんでもないことを話している。
沙也は、そっと後ずさった。
半歩ほどであったが、逃げるような心持ちになる。
「そうよね。沙也も一緒に見ない? 洗濯が終わったら、お茶を淹れようと思って……」
なのに母ときたら。
なにも知らないがゆえに残酷なことを口に出す。
「い、いい! 私、このあと見たいチャンネルがあるから!」
沙也はもう、取り繕えずに声を上げていた。
内容だけは無難なものになって、自分に安堵した。



