幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「もういい?」

 沙也が色々考えているうちに、洋斗は満足したようだ。

「ん!」

 軽く頷いて、沙也の手にペットボトルを戻してきた。

 その様子に沙也はほっとして、ハンカチを出して洋斗の口元を軽く拭う。

 そうしてから立ち上がった。

「あの」

 黒スーツの彼に向き直り直して、おずおずと、になったけれど、切り出す。

「ファミリーレストランで、三十分で……よろしいでしょうか」

 沙也が受け入れる気になったのを知って、彼は安堵したようだった。

「ええ。じゅうぶんです。貴重なお時間を申し訳ございません」

 それで話はついた。

 あまり気は進まなかったけれど、ここで別れて「なんだったんだろう」とあとから引っかかってしまうよりいいか、と思うことにする。