それでもスロープに差し掛かり、やはり気を付けてゆっくり、ゆっくり降りていった。
海に一番近い、細い通路へ入る。
これ以上近寄るつもりはなかった。
砂浜にベビーカーは入れないし、抱っこしても、洋斗を歩かせても、危ないと思う。
まだ少し早いから。
せめて保育園を卒業する年頃くらいまでは、このくらいの距離にしようかな、と思って、今日は少し遠くから。
それでも先ほどより近くなったうえに、高さが浜辺とほぼ同じになった。
つまり、より目の前に、ダイナミックに見られるようになったわけで。
今の洋斗には、新鮮でたまらないだろう。
「うみぃ! ざぶーん! ざぶぅん」
ベビーカーから身を乗り出し、手をぱたぱた振る洋斗。
まるで波が打ち寄せる様子を真似したいというような仕草だ。
沙也が愛おしさに、笑みを浮かべてしまうくらい、かわいらしく、無邪気だった。
自分の無邪気だった頃まで思い出させるよう……と、沙也が思ったときだった。
「沙也さん」
急にうしろから声がかかった。
男性の声だ。
名前を呼ばれたことにより、そもそも声がかかったことに沙也はびっくりした。
ばっと振り返る。
海に一番近い、細い通路へ入る。
これ以上近寄るつもりはなかった。
砂浜にベビーカーは入れないし、抱っこしても、洋斗を歩かせても、危ないと思う。
まだ少し早いから。
せめて保育園を卒業する年頃くらいまでは、このくらいの距離にしようかな、と思って、今日は少し遠くから。
それでも先ほどより近くなったうえに、高さが浜辺とほぼ同じになった。
つまり、より目の前に、ダイナミックに見られるようになったわけで。
今の洋斗には、新鮮でたまらないだろう。
「うみぃ! ざぶーん! ざぶぅん」
ベビーカーから身を乗り出し、手をぱたぱた振る洋斗。
まるで波が打ち寄せる様子を真似したいというような仕草だ。
沙也が愛おしさに、笑みを浮かべてしまうくらい、かわいらしく、無邪気だった。
自分の無邪気だった頃まで思い出させるよう……と、沙也が思ったときだった。
「沙也さん」
急にうしろから声がかかった。
男性の声だ。
名前を呼ばれたことにより、そもそも声がかかったことに沙也はびっくりした。
ばっと振り返る。



