幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

『わっ! すっごく綺麗! どこにあったの?』

『へへん、あっちの水たまりの近くだ』

『えー! そんな遠くまで行ってきたの!』

『ああ。友達とな!』


 きっと桜色の美しい貝殻を見つめる沙也の表情は、今の洋斗と同じように輝いていたことだろう。

 清登はますます自慢げになり、そしてその大切な貝殻をくれたのだ。


『ほらっ、沙也にやるよ!』

『いいの!? ありがとう! 大事にするね!』


 あのときのやり取りが、今、洋斗を抱いて海を見つめる沙也の頭の中に流れる。

 とても美しい想い出だった。

 桜色の貝殻と、今、目にしている現実の海と同じくらい、美しいもの。

「まーま! うみぃ、みうー」

 洋斗がまだあまりおぼつかないおしゃべりで言った。

 でも沙也にはちゃんとわかる。

「うん。見たいね。もう少し近くへ行こうか」