幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「まーまぁ! うみぃ!」

 ざぱん、ざぱん、と軽快な音が響いてくる。

 天気の良い日で、防波堤の近くから見下ろす海は、青く、青く、どこまでも続いているかと思うほど広かった。

 波が岩や防波堤に打ち付けられる、重たい水の音と、潮の匂いも。どれも紛れもなく、海。

 しかも想い出の海、であった。

 青いツナギの服を着た洋斗は、初めて間近で目にした素敵な光景に、目をきらきらにして、高い声を上げる。

「ね、海。綺麗だよねぇ」

 そんな洋斗を抱く沙也も、普段着姿。ブラウスにワイドパンツ、スリッポンという動きやすいスタイルだ。

 沙也は穏やかに洋斗のきらきらした表情を見つめた。なんとなく洋斗の中に、あのときの清登が見える気がしたのだ。

『沙也! きれーなの見つけたぜ!』

 桜色の貝殻を持って、小学六年生の清登が自慢げに近付いてきたあの想い出が、まぶたの裏によみがえった。