幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 はじめから決めていた。

 清登が無事、結婚となったら参列することなく、なにか「ほかの大切な用事を動かせないから、ごめん」と言い訳をつけて欠席にしようと。

 だって、二人の邪魔になってしまうだろう。

 十日間の交際をしていた相手でもあるし、それ以上に、今となってはシークレットベビーを抱えている自分が参列なんて。

 する資格ないよ。

 そう思ってしまうのは少し寂しいし、心痛むけれど。

「まーまぁ。おはなぁ」

 明るい様子で、カードに描かれている花の模様を楽しそうに指差している洋斗。

 この子を守るためなら、ちょっとの痛みやずるさもためらわない、と思う。

「かわいいお花だね」

 沙也は洋斗のふくふくした手に、自分の手を重ねた。

 包み込むようにする。

 今の自分に、一番大切で、守るべきなのはこの子。

 その気持ちはもうしっかり沙也の中に据わっていたし、揺らがないことだ。

 それなら、ほかのものがいくらかなくなってしまったとしても、仕方がない。

 すべてを手に入れられるなんて、無理だから。