幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 洋斗は濃い黒髪を持って産まれてきた。

 清登と同じ、少し硬めの髪質でもあり、きっとそこは清登から受け継いだのだろう。

 だが、顔立ちはどちらかというと、沙也に似ていた。

 産まれてすぐの時点でも、母が「赤ちゃんの頃の沙也にそっくり」と驚いたくらいである。

 それに、特に目元がそっくりだね、と、もう少し成長すると言われることになるのだった。

 しばらく前からもらっていた産休で、引き続き家で過ごし、ちょくちょく訪ねてくれる両親と明依の助けを借りながら、沙也は慣れない育児を頑張った。

 育児は想像していたけれど、楽なものではない。

 手伝ってくれるひとがいても、親としては独りなのだから、なおさらだ。

 新生児の洋斗は数時間おきに泣いて、ミルクやお世話を訴えるのだったし、沙也はあっという間に寝不足になった。

 一晩中ぐっすり眠れる日など、まったくなくなってしまったくらいだ。