幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 その声こそとても優しくて、沙也は顔を上げてから、首をかしげてしまった。

「そりゃあ……、うん。大切なひとだから……幸せに過ごしてほしいもの」

 そういう思考であって当然、と、沙也としては思っていたので言ったのだけど、明依は優しい表情で、首を振った。

「そう思えて、そう言えるのが、優しいんだよ」

 そんなふうに言ってくれる明依の言葉。

 沙也は少し考えた。

 浮かんできたのは、笑みだった。

 意外だったけれど、そう評価してもらえるのが嬉しい。

 そう、素直に受け取っていいのだと思えたから。

「そうかな? ありがとう」

 沙也の素直なお礼に、明依はにこっと笑った。

 そして、下のほうへ視線をやる。

 膨らみが少しだがわかる、沙也のお腹へと。

「うん。だから、沙也も幸せにならなきゃ。この子と、ね」

 愛おし気にそう言ってくれるので、沙也は違う意味で嬉しくなってしまう。