幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

「そうなんだ?」

「うん! しばらく行ってなかったし……なにか新作あった?」

 会話は食事のときと同じで、なんでもない内容だった。

 でもそれがかえって嬉しい。

「えーと、確か来週からアップルパイがはじまるって書いてあったなぁ」

「アップルパイ! いいねぇ! もう寒くなるもんねぇ」

 話のうちに、ふと違うほうへ話題が行った。

 明依には、付き合ってそろそろ一年になる彼氏がいる。

 その話を聞いているうちに、思い出したのだ。

「あのね、母から聞いただけなんだけど、なんだかあちら……ごたついてるみたいなの」

 ちょっと声のトーンが落ちながら、沙也は口に出した。

 こんな話、できるのも、聞いてくれるのも、明依しかいない。

 明依は沙也が切り出したことに、きょとんとした。

「え、清登さんの? なにがあったの?」

 もちろん、沙也が清登と連絡を絶ったことは明依にも話していた。