幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 箱から出てきたのは、チョコレートムースだった。

 正方形をしたムースが、スポンジと層になっていて、上にはミントの葉と生クリームが飾ってある。

 見た目もかわいらしいケーキだ。

 明依はチョコレートのケーキが好きで、ケーキ屋などに行くと、よく選んでいる。

 よって今日のお礼にチョイスした。

 これは近所のケーキ屋さんのもので、そこも明依が教えてくれたお店。

 きっと喜んでくれる、と思って選んだのだ。

 紅茶を淹れて、ケーキをお皿に乗せて、食後のデザートははじまった。

 ぱくっとムースを口に入れ、明依はすぐに幸せいっぱいな表情になる。

「おいしーっ! 久しぶりに食べたかも」

 これほど素直に喜んでくれて、沙也まで嬉しくなった。

 自分も同じケーキにフォークを入れながら、自然に笑みが浮かんでしまう。