幼馴染御曹司と十日間の恋人契約で愛を孕んだら彼の独占欲が全開になりました

 沙也の気持ちは決まっていたのだから、この場で言ってしまうこともできた。

 すなわち、「もう私は決めたの」である。

 でもそれを今、この状態の母に言うのは流石に残酷だと思った。

 沙也と同じように、強すぎるショックになってしまうかもしれない。

 それなら、やはり少し時間を置いたほうがいいのだ。

 だから沙也は頷いた。

「うん。……驚かせて、ごめん」

 謝る言葉で終わらせる。

 母の答えがなんであろうとも、驚愕させ、きっといくらかのショックをすでに与えてしまったのは、確かなのだろうから。

「……ええ」

 沙也の言葉に対する母の返事は、それだけだった。

 単なる受け止め。

 それしか言えなかったのだと、沙也にはわかってしまう。

 胸がきりっと痛んだ。

 だけど逃げない。

 引かない。

 ……お腹の大切な命のためにも。