静かに口に出した名前。
母は再び黙る。
目を見開き、絶句した顔だ。
すべて知っただろう。
沙也がこんな形で妊娠を自覚することになったのも、そして公表したら迷惑になると言ったのも。
こんな反応をさせてしまってすまない、と沙也の胸を痛ませた。
でも話を切る気はない。
ちゃんと、全部、説明する。
聞いてもらえるのなら、だけど。
「……どうして、そんなこと……。清登くんの立場がわかっているの?」
やはり数十秒の沈黙のあと。
母は絞り出すような声で言った。
うめくのにも近かった。
だが、その反応と言葉は、沙也が「こういう反応もあるかもしれない」と思っていたことのひとつだった。
だからこう言おうと決めていた言葉を返す。
「わかってる。わかってたからこそ……婚約前に終わらせたの。今はもう、なんの関係もないよ」
母は再び黙る。
目を見開き、絶句した顔だ。
すべて知っただろう。
沙也がこんな形で妊娠を自覚することになったのも、そして公表したら迷惑になると言ったのも。
こんな反応をさせてしまってすまない、と沙也の胸を痛ませた。
でも話を切る気はない。
ちゃんと、全部、説明する。
聞いてもらえるのなら、だけど。
「……どうして、そんなこと……。清登くんの立場がわかっているの?」
やはり数十秒の沈黙のあと。
母は絞り出すような声で言った。
うめくのにも近かった。
だが、その反応と言葉は、沙也が「こういう反応もあるかもしれない」と思っていたことのひとつだった。
だからこう言おうと決めていた言葉を返す。
「わかってる。わかってたからこそ……婚約前に終わらせたの。今はもう、なんの関係もないよ」



