さすがにこのままでいる訳にもいかないから部屋の中を探っていると、クローゼットの中に高校の制服と見られるものを見つけた。



ちょっと泥棒してるみたいで嫌な感じだけど、バックの中身も見させてもらおう。



綺麗に整理された中身をかき分けたら、学生証も発見した。



写真を見ても、たしかに私がなっている体の子と同じ顔をしている。



それと同時に、ため息が漏れた。



「…凄すぎるよ…」



こういう時に撮る写真って、だいたい不細工に移るものじゃないの?



青い背景で撮られた学生証用の写真ですら、プリクラみたいに可愛い。



私もこの顔になりたかったなぁ…なんて。



「いやいや…もうそろそろ動こう」



いつまでも部屋にいたってしょうがない。



学校名もわかったことだし、なんとか高校まで行ってみよう。



もう1回学生証を見ると、『宮村芙羽梨』と書いてある。



…名前まで可愛い。



ぼんやりそんなことを思いながら、支度をし始めた。