そ、そこまで言う…?



大袈裟すぎる気がする…けど、目が本気だ。



放っておいたら倒れてしまうんじゃないかと思うほど、その顔は見るのも痛々しい。



「わ…かりましたから。とりあえず、服引っ張らないでもらえます?」



このままだと、宮村さんの制服が破けそうだ。



「あぁ…ごめん。芙羽梨の制服がダメになったら大変だしね。まぁ、ダメになっても僕が書き直してあげるけど」



「………」



宮村さんが可哀想になってきた。



顔はとってもいいのに、中身がとんでもなく残念な気がする。



溺愛してる…というより、なんかもっと重いんだよね。



「僕は香月詩音。君は?」



「えっ…?あ、えっと…」



それは、宮村さんじゃなくて私の名前だよね。



「伊咲ももです…けど」



一瞬悩んでからそう答えた。



「伊咲さん、なにか心当たりがあったらなんでもいいから話して欲しい。一刻も早く芙羽梨を摂取しないと、僕の精神が安定しないんだ」



「………」



やはり、とことん残念な人だと思わずにはいられなかった。