そう判断した上で言葉遣いには気をつけてきたはずなのに、今ので完全にバレた気がする。



だって、見てほしいこのイケメンの顔。



「芙羽梨じゃない……僕の芙羽梨をどこにやったの?」



それはもう、この世の終わりとでも言いたげな絶望しきった顔で私を見てきた。



震えた声で肩を掴まれ、私はちょっとしたパニックになる。



「そ、そんな事言われたって、わかるわけないじゃないですか…!!」



それはこっちのほうが聞きたいよ…!



それに、私の言い方がちょっとおかしかったくらいですぐに気づくなんて、正直びっくりした。



もしかしたら、本当にこの2人はカップルなのかもしれない…。



だとしたら納得がいく…と考えていると。



「って、引っ張らないでください…!」



今度は腕を捕まれて引っ張られていて。



「少し話をしよう?君がどこの誰なのか、芙羽梨がどこにいるのか…教えてもらわないと、不安で不安で死にたくなってくる」