誰かと過ごす初めての朝。
カーテンから覗く朝の日差しが白いシーツに反射する。

反射する光が青人さんの寝顔を一層輝かせて映しているのは、多分気のせいではない。
改めて彼の顔をまじまじと見つめて、その端正な顔立ちにときめいた。

睫毛は長くて、鼻筋が通っていて寝顔ですら美しすぎる。
どうして気づかなかったのか、鼻の形は私の記憶の中のハルトくんと同じなのに。

多分思い出を美しく着飾りすぎて、ハルトくんのこと、どこか絵本の中の王子様みたく捉えていたのかもしれない。
やっぱり私は現実を見れていなかったのかもしれない。

でも、青人さんは紛れもない、現実に存在する大人の男の人だった。
昨夜私は、この人の腕の中で――…


「……永美里、そんなに見られると襲うよ?」

「えっっ」


いつの間にか目が覚めていた彼。
ゆっくりと起き上がると、そっと私を抱きしめた。


「…おはよう」

「お、おはようございます」

「体大丈夫?」

「大丈夫…」

「よかった」


そう言って私の額にキスを落とす。

私の心はまだふわふわしていて、地に着かないけれど熱だけはずっと残っている。

青人さんの大きくてゴツゴツしていて、若干血管の見える大きな手が好き。
この手に抱きしめられると、胸がきゅうっと苦しくなるのに安心する。

まだ起き上がりたくない、まだしばらくこうしていたい――…