「廃墟探索なんてするもんじゃねーな」

神山よう(あたし)が友人のいつきにいった。ようは女子高生。黒髪に黒い瞳に白い肌。カーディガンにロングスカート。ローファーを履いている。

橘いつきは男子高校生だ。まったく最近の男子高校生はゾンビ相手に逃げ回ることしか出来ないのか? いつきも茶髪にすらりとしたイケメンのくせにゾンビを火炎放射器で焼き払うとかウイルスをDNA解析することも出来ないのか?

「まったくだよ。ようが廃墟探索してYoutube再生数と登録者数を増やしてヒャッハー!とかいったんだろ」

「誰がヒャッハー!だ! ヤベエ奴じゃないか?

あたしはコンサバな女子高生がモットーなんだよ」

「コンサバな女子高生は廃墟探索なんてしないだろ」
「それは人間だしどっちでもいいだろう?」
「それよりバットを一本手に入れた」
「何処からだ?」
「そこにいる人からだ」

地下道の血だまりに死体が転がっていた。

神山ようは小首をかしげると。

「死んでるね」
「ああ。亡くなってる」

ゾンビに襲われたんだろうなあ。嫌だなあ。作者は何が楽しいんだろうなあ。