「うわぁ〜、なず可愛い〜!」


「えー、そうかな〜?」


今日は、例の合コンの日。


女子力皆無の私は合コンに行く2時間前から、私の家でかおちゃんにヘアセットやメイク、着ていく服をコーディネートしてもらっていた。


「いやー、ほんとになずもったいないわ。普段からもっと飾ればいいのに。これなら絶対モテるよ!」


「え〜そんなに? じゃあこれからは、もうちょっとおしゃれに気を使ってみようかな〜」


「なずがその気なら、いつでもアドバイスしてあげるっ」


さすがかおちゃん。頼りになるなぁ〜。


すると、かおちゃんは私の部屋の壁がけ時計を見る。


「あっ、もうこんな時間。なず、そろそろ行こっか」


「うん! かおちゃん、可愛くしてくれてありがとう〜」


「うっ……いいの、これくらい。……ゆずくんがなずをほっとけない理由がよーく分かるわ」


私が笑顔でお礼を言うと、かおちゃんは何か呟いたけどよく聞こえなかった。