そんなに騒がれても、俺はべつにどっかの芸能人でもないんだし、大袈裟だろうと思う。


「──おっ。ってか女子の方は、お前の彼女が活躍してんじゃん〜」


「はあっ?」


千秋の聞き捨てならない発言に、女子のほうに目をやると、なずが試合に出て活躍してる姿が確認できた。


「いや、彼女じゃねーし」


「えー、あんな仲良いくせに? ゆず〜、なず〜って似たような名前で呼びあって、ラブラブじゃんかよ〜」


「はぁ……だから、なずとは何もないって言ってんだろ。マジでただの幼なじみだから」


「なんだよ、つまんねーのー。……けどさ、なずちゃんってめっちゃ意外だよなー」


「何が?」


「ほら、普段めっちゃボーッとしてる感じなのに、バスケはできるじゃん? すげーギャップじゃね?」


「あー……それは、俺がバスケしてた頃になずもそれに混じってよくやってて、気づいたらあいつも自然に上達してたって感じ」