狼の目に涙

一応ライバルでもあるわけだし、そこは引き下がれない。




『気持ちは、ちゃんと言葉にしないと伝わらない。行動だけだと捉え方が変わるから』

「…知ったようなこと言わないで」

『平岡さんのことは正直何も知らないです。でも、伝え方が違うことは何となく分かる』




掴まれたカッターシャツが離されると、また押されて椅子に座る。


平岡さんの表情が、怒りから哀しみに変わった。
自覚はあったのかもしれない。



だからこそ、言葉で伝えることを選んだ私を憎んだ。