狼の目に涙



これは助けか、罠か。



走り過ぎて頭も回らず、追いかけられたことを忘れて呆然と立ち尽くしていると、後ろから羽交い締めにされて、目の前の停まった車に呆気なく乗せられてしまった。



すぐ我に返って暴れて抵抗したけど、そんな事は当たり前にもう遅くて、

頭を蹴ったり誰かの腕をつねったりしたけど、押さえつけられてしまえば、男の人の力には敵わなかった。



今抵抗しても、さらに強い力に阻まれる。


力を抜くと、押さえられていた腕もどこかへ消えた。


「あんた。雅に近づくなって言ったよね?約束守んなかったからこうなったんだよ」