狼の目に涙

一人の男の人に追いかけられることになった私は、がむしゃらに走った。


時々転けそうになりながらも、なるべく住宅街から離れないように逃げ続けた。
いつでも誰かの家に逃げ込めるように。




男の人の体力には勝てないから、このまま逃げていても捕まる。

今どき、助けて欲しいと逃げ込んで、匿ってくれる家がないことは何となく分かっているけど、それでも、そうするしかない。



曲がり角を五回曲がったところで、私の体力がそろそろ限界を迎えていた。

追いかけてきている人は、まだ元気そう。